石見銀山と栗の揺盆 | 島根県と栗の歴史




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栗の仕事をはじめたきっかけは、世界遺産の石見銀山に因みます。
江戸時代、石見銀山にて栗は大切な役割を果たしていました。
鉱山を掘り進めるためには、常時流れる地下水との戦いを克服しなければなりません
栗材はこの坑道の杭(トメギ)として大量に使われてきました。

しばらくすると、大量に栗を使用することにより、石見地方で栗材が枯渇します。
そのため、代官所と農民が協力し、50ヘクタールに及ぶ栗林を作りあげています。
最初の植林の苗が2万本といわれ、まさに官民あげての植林を実行しました。

石見銀山が世界中の他の鉱山遺跡と違い、森林の再生という環境への配慮をしてい
ことが世界遺産に指定された理由であったと聞いています。

栗材は坑道の杭ばかりではなく、鉱石を分離させる水簸作業で使う揺り盆(ゆりぼん)
にも必要不可欠な料でした。栗は、屋根、土台、玉じゃくしなど、様々な建築資材
生活用具、生産の道具を支えてきました。こうした揺り盆や玉じゃくしは、山々を渡っ
ていく木地師たちにより供給されていました。

腐敗に強く丈夫な栗材は美麗な木目と相まって、建築や生活用品に活用されてきました。
私どもの工房では家具や生活用品の素材として栗材に魅力を感じ、「栗乃舎」として
取り組んでいます。